ビオラ属の育て方・栽培方法

ヨーロッパでは非常に長い栽培の歴史を持ち、香りのよさが庭に植える植物の基準だった頃から何千年にも渡り長く愛されてきた花です。ニオイスミレ（匂菫）の花は香りがよく、20世紀初めごろまでは香水に使用されていましたが、安価な香料の登場により、現在では商業的に使用されることはほぼなくなりました。葉から抽出する香料は、香水の原料として現在でも生産されています。

アメリカスミレサイシン（亜米利加菫細辛）は初春から紫色の花を咲かせる多年草です。観賞用に栽培されますが、こぼれ種から増えすぎることもあるため注意が必要です。花にはハチなどの昆虫が集まり、種は鳥や動物が食べます。

日本に約60種存在するスミレ属の仲間の一種で、春に可憐な花を咲かせる野草です。種としてのスミレは東アジアにのみ分布するため、西洋文学などに登場するスミレの多くは別の種を指します。

日本で「ビオラ」と呼ばれている花は、ヨーロッパのピレネー地方原産のビオラ・コルヌタ（Viola cornuta）を中心に改良された園芸品種群であり、花の直径が4cm以下のものを指します。それよりも直径が大きな品種はパンジーと呼ばれて区別されています。冬のあいだも花が楽しめ、初春には球根植物とのコラボレーションが楽しめます。

ヴィオラ・リヴィニアナは淡い紫色の花を咲かせる多年生のスミレです。湿った土壌を好み、日陰や半日陰で育ちます。よく似た花にはニオイスミレがありますが、ニオイスミレと違ってヴィオラ・リヴィニアナには芳香がありません。葉が紫がかるタイプは、黒葉スミレなどの名前で流通し、そのシックな雰囲気から人気が出ています。