ヨーロッパブナは公園や庭園に植栽される紅葉が美しい落葉樹です。秋には葉色が黄色〜オレンジ〜赤、最後は赤茶色へと変化し、多くの場合冬の間も枯れ葉が木に残ります。木材としても家具などの加工に利用されています。

セイヨウカジカエデは、属が異なるプラタナスに類似しています。それにより、学名の種小名は古代ギリシャ語で偽プラタナスという意味を持ちます。セイヨウカジカエデの材は楽器や家具、床材などに利用され、高級なヴァイオリンであるストラディバリウスなどの甲板としても使用されています。

オニツリフネソウ（鬼釣舟草）には数個の花が吊り下がっており、見た目が船に似ていることが名前の由来となっています。オニツリフネソウ（鬼釣舟草）の花は他の同属種と比べてやや大きく、横から見るとタラコのようです。絶滅危惧種に指定されており、希少価値の高い植物です。

セイヨウノコギリソウ（西洋鋸草）は、明治時代に切花用の植物として渡来した多年生草本です。現在は日本の道端などで見かけます。本種の根から分泌される分泌液は、周囲の植物を虫や病気から守ります。

ドイツトウヒは世界中であらゆる用途に利用され、経済的にも重要な常緑針葉樹です。成長が早く樹形が整いやすいため、クリスマスツリーとして親しまれるほか、建材や弦楽器の材料などとして広く利用されています。成長すれば50mを超すほどの高木ですので、庭木には向きません。ノルウェーに現存するドイツトウヒの木は9550年以上生き続けているとされます。

セイヨウミヤコグサ（西洋都草）は牧草や緑化用に持ち込まれ、1970年代には北海道などで帰化が確認されました。海岸から山地までの草地や砂礫地、道端や堤防などでふつうに見られます。在来種であるミヤコグサや、それを食べる昆虫をはじめとした生態系への影響が危惧されています。

オレガノはバジルとともに、地中海料理には欠かせない料理用ハーブです。古代ギリシャの時代には、幸運と健康をもたらすと考えられ、結婚するカップルはオレガノの冠を身に着けました。ハーブのイメージが強いですが、花も観賞性が高く、ドライフラワーにしても楽しめます。

セイヨウナナカマド（西洋七竈）は原産地では低地から高地まで幅広く分布する落葉中高木あるいは低木ですが、着生植物として他の樹木の上で生長する場合もあります。庭木や街路樹として植栽もされます。花は虫の蜜源となり、赤い実は様々な種類の鳥の食料源です。

レッドクローバーは、明治初期に鳥やうさぎの食糧として日本に導入された多年生草本で、現在ではどこにでも自生しています。シロツメクサと似ていますが、本種は背丈が高く花は赤紫なため、区別ができます。

シレネ・ブルガリスの和名は、白い花の根元が玉のように膨らんで咲くことに由来します。日本の一部でも帰化している多年草ですが、若い葉はイタリアのハーブ野菜、ストリドーロとしても知られており、近年は家庭菜園や野菜市などでも見られるようになりました。

セイヨウハシバミ（西洋榛）の種子はお菓子などの材料としてよく知られる「ヘーゼルナッツ」です。落葉低木ですが、中には大きく生長するものもあります。木材は土塀壁の家の木組みや農業用地のフェンスなどに利用されます。

春を代表する花が桜であれば、ガクアジサイは梅雨の時期を代表する花です。鎌倉の明月院など、東西南北に名所があります。「万葉集」や「本草和名」などの古い書物に登場し、各地にお金や健康にまつわる俗信が残る日本人と関わりの深い植物です。

ウツボグサ（靫草）は山地や道端でよく見られます。和名は、長く伸びた花枝の先につく花の穂が矢を収納するウツボに似ていることに由来します。無数に咲く花は青みの強い紫色です。

セイヨウトネリコはヨーロッパ全土に自生するトネリコの仲間で、日本のトリネコに比べて細い葉を持ちます。かつては邪気を払う力や癒しの力を持つと考えられていました。北欧の神話で描かれる聖なる世界樹（ユグドラシル）はセイヨウトネリコの木だとされています。

タチキジムシロは花弁が4枚であることや黄色い可愛らしい花を咲かせることが特徴です。かつて根っこは革を赤く染める染料として使用されていました。タチキジムシロは花が上に立ち上がってくることが名前の由来とされています。

セイヨウミズキ（西洋水木）は野生では林縁などに生えている姿が見られます。花は昆虫を惹きつけ、果実は鳥や哺乳類動物が食べにやってきます。紅葉が美しいことから、観賞用に庭植えされます。本種の木材は硬く、串焼き用の棒などに用いられます。

北米原産ですが日本各地に分布します。ハルジオンによく似た花弁の細い白い花をつけますが、葉が茎を抱いておらず、背の高さの割に花が小さい方がヒメジョオン（姫女苑）です。姫紫苑（ヒメシオン）ともよく混同されますが、こちらも別の種です。

ブッドレアは乾いた荒れ地でも成長することのできる低木で、国の重点対策外来種に指定されています。房藤空木という和名は、二枚の葉が向かい合って生える姿が空木に似ていることと、フジ色の小さな花を咲かせることに由来します。

アジュガはヨーロッパ原産の多年草です。花は中央で大きく裂けて唇のような形をしており、一同に咲く様子が花が家族を連想させることから「心休まる家庭」が花言葉とされます。日陰でも育ち匍匐性のため、グラウンドカバーとして使われます。

普通のイチゴに比べると株も果実も小さく、酸味はほとんどありません。ガーデニングの素材としても人気があり、黄金葉の品種、斑入りの品種、実が白い品種、果実が美味しく長期間実るように改良された品種など、さまざまです。