熱帯が原産のクロトンは、沖縄以外の日本では観葉植物として温室で栽培されるのが一般的です。多様な色彩の線や斑点で模様づけられている葉から、ヘンヨウボクという別名が付けられました。折れた枝や茎から出る樹液に触れると、体質によってはかぶれる可能性があります。

タコの足のような花序が特徴のオクトパス・ツリーは、観賞用として庭や鉢に植えて栽培されます。ハワイでは、本種の花で首飾りを作ります。亜熱帯～熱帯地域では高い侵略性を示し、密に発達する根茎が建物の基礎や地中の配管に害を与える場合があります。

ヤエヤマアオキは熱帯の海岸林などに生息する常緑樹で、葉姿がアオキに似ており、国内では八重山諸島に自生することからこの名で呼ばれます。初夏に白い星形の花を付け、果実はノニジュースなどの原料として使われます。根は赤色染料となります。

ヘリコニア・ロストラータはアマゾンの熱帯地域に生息します。ボリビアの国花です。ロブスターのハサミのような花が特徴的です。ハチドリを引き寄せます。スイツキコウモリが休める棲み処の役目も果たします。

オオハマボウ（大浜朴）は海浜植物で、原産地ではよくマングローブ林と関連して自生します。また海岸での防風林、防砂林や公園などにも植栽されて、世界各地で帰化しています。

ミバショウは果実が生食用バナナとなる主流な種です。和名は実をつける芭蕉に由来します。古く紀元前5千年前からマレーシアで栽培されており、現在では世界各地の熱帯地方で広く栽培されます。日本へは1903年に台湾から輸入されました。

ココヤシ（ココ椰子）はココナッツの実でよく知られる植物です。果実は食料、実の皮はロープなどの繊維、葉や茎は建材として幅広く利用されます。沖縄では植栽され、小笠原諸島では自生しています。

レッドジンジャーという名前は、生姜の仲間で、鮮やかで特徴的な赤い苞を持つことから名付けられました。ニューカレドニアやソロモン諸島などの太平洋諸島原産で、日本では沖縄本島より南でしか栽培できないと言われており、主に石垣島で栽培されています。

ツリウキソウは、深紅と紫のツートンカラーの小さな花をつけ庭に鮮やかな色彩とトロピカルな雰囲気を与えてくれます。丈夫で耐寒性にも優れているため、春から晩秋まで長い期間で花を楽しむことができます。

ドラセナ・レフレクサは葉が美しく、初心者にも室内で育てやすいため観葉植物として人気です。ゆっくり成長するのでこまめな剪定も不要です。クネクネと曲がる幹が特徴です。

コダチヤハズカズラ（木立矢筈蔓）は鉢植えで流通しますが、栽培に適した気候では地植えで壁面緑化や生垣などとして植栽します。世界各地で観賞用のものが逸出し、道端や空地、林縁地などで帰化しています。

同じくキツネノマゴ科に属するルリハナガサに似ていることからルリハナガサモドキ（瑠璃花笠擬）と名付けられました。原産地である暖かいポリネシア地域では通年開花していますが、日本では夏から秋にかけて花を咲かせます。

グァバは甘酸っぱいトロピカルフルーツが成る常緑低木です。日本でも自生しているものや栽培・販売されているものがありますが、野生化したもののほとんどが沖縄や奄美大島で見られます。果実はそのまま生食で、あるいはジャムやジュースにして楽しまれています。果実だけではなく、葉や花や植物そのものも見た目に美しいため、観葉植物としても人気があります。

オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、マレシア、太平洋の島々で発見されました。高さ20〜40 cmの低い植物。特定の小名ジコトーマはギリシャ語に由来し、葉の分岐した性質を指す「2回切断」を意味します。この植物は、1753年にAcrostichum dichotomumとして科学文献に初めて登場しました。

モモタマナは公園や街路樹などに植栽される半落葉性の高木です。果実はピロガロールタンニンという色素を含み、染料として利用されます。

フィジーシノブは木や岩に着生して育つシダ植物で、毛羽だった褐色の根茎から水分や養分を吸収します。この根茎がまるでウサギの足のように見えることから、英語では「Rabbit’s Foot Fern」（直訳すると、ウサギの足のシダ）と呼ばれることが多いようです。この根茎は猫が好みそうな形ですが、毒性はないため、猫ちゃんが近づいても心配ニャイです！?

クサトベラ（草海桐花）は海岸の砂地や石灰岩地帯に生息します。塩害に強い性質から沿岸の街路樹や防潮堤の植栽に適します。秋になる果実は鳥が食べるほか、海流に乗って広範囲へ拡散し、流れ着いた場所で自生します。

ホウオウボク（鳳凰木）は熱帯地域に自生し、日本では沖縄で見られます。園芸用に流通しますが日本では希少です。大きな葉が茂って夏に涼しい木陰を作るため、街路樹や公園に植栽されます。花姿が伝説の霊鳥である鳳凰（ホウオウ）が飛翔する姿に例えられたことが和名の由来です。

テリハイカダカズラ（照派筏葛）は、南国な雰囲気を感じさせる植物です。色鮮やかな赤色、ピンク色、オレンジ色などの苞葉の中に小さな白色や黄色の花を咲かせます。短日植物のため春と秋に花が咲きます。庭に植える際は、枝が垂れ下がるのでフェンスなどを用意する必要があります。

パパイヤは16世紀初頭にスペインの探検隊によって熱帯アメリカ（メキシコ南部から西インド諸島）で発見されてから、17世紀にフィリピンに持ち込まれ、世界各地の熱帯や亜熱帯で栽培されるようになりました。日本へは明治30年代頃に入ってきました。果実は食用になり、柔らかくて甘く、独特の香りがあります。