マグワートは世界的に神聖な植物として考えられており、大昔には魔除けや儀式に用いられていたそうです。虫除け効果がある一方で、花粉源でもあります。畑や果樹園の雑草とみなされ、侵略性も指摘されています。

他に類を見ないカラフルな葉が目を引く、日本では一年草扱いのカラーリーフプランツです。葉の形や色の組み合わせが異なる新品種が絶えず作出され、イギリス王立園芸協会の名誉あるガーデン・メリット賞を受賞した品種も多数存在します。

セイヨウナナカマド（西洋七竈）は原産地では低地から高地まで幅広く分布する落葉中高木あるいは低木ですが、着生植物として他の樹木の上で生長する場合もあります。庭木や街路樹として植栽もされます。花は虫の蜜源となり、赤い実は様々な種類の鳥の食料源です。

昭和40年以降、セイタカアワダチソウ（背高泡立草）は各地に急激に広がりましたが、平成になるとその勢いに衰えが見え始めました。花粉症の原因と言われることもありますが、本種の花粉は風で飛散しないたいため誤りです。

ドイツトウヒは世界中であらゆる用途に利用され、経済的にも重要な常緑針葉樹です。成長が早く樹形が整いやすいため、クリスマスツリーとして親しまれるほか、建材や弦楽器の材料などとして広く利用されています。成長すれば50mを超すほどの高木ですので、庭木には向きません。ノルウェーに現存するドイツトウヒの木は9550年以上生き続けているとされます。

セイヨウトネリコはヨーロッパ全土に自生するトネリコの仲間で、日本のトリネコに比べて細い葉を持ちます。かつては邪気を払う力や癒しの力を持つと考えられていました。北欧の神話で描かれる聖なる世界樹（ユグドラシル）はセイヨウトネリコの木だとされています。

ヨーロッパキイチゴ（ヨーロッパ木苺）には多くの栽培品種があり、果実をラズベリーの一種として食用にするため栽培されています。ミネラル類が多く含まれ、ポリフェノールが豊富です。種子から得られる油は化粧品の原料としても利用されています。

ブルーベリーの一種のビルベリーは酸性度が高い栄養不足の土壌によく生息します。第二次世界大戦中のある空軍パイロットがよく食べていたことから、目がよくなるのではないかとの研究が始まったといわれています。

ヨーロッパアカマツは木は乾燥しやすく、乾燥後も安定した素材になるため、建築、土木、梱包、パルプなど多くの製品に利用されています。また香料を抽出しルームフレグランスなどの材料になります。森林を思わせる香りが特徴です。

普通のイチゴに比べると株も果実も小さく、酸味はほとんどありません。ガーデニングの素材としても人気があり、黄金葉の品種、斑入りの品種、実が白い品種、果実が美味しく長期間実るように改良された品種など、さまざまです。

ヨーロッパナラ（欧州楢）は長寿のブナ科の広葉樹で、40 mに達するものもあるという大木です。学名のQuercus roburは「堅い樽」を意味します。秋にはドングリがなります。硬くて重い木材として、家具や床材、窓枠や階段、ワイン樽などに使われます。

ノボリフジは、青、ピンクなど豊富な色彩の蝶のような形の小花をたくさん咲かせる多年草です。メンテナンスも簡単で、直立した花序の姿は花壇などで集団で植えて利用すると圧巻です。

クッション状にこんもりと茂る姿、針のような細い葉、枝に密につく小花の様子などから、エリカとよく混同されます。エリカは花びらが大きく目立ちますが、カルーナのそれは小さく、かわりに大きな萼（がく）が色づいて花びらのように見えるのが特徴です。木姿、花色、葉色、開花期などが異なる、1000以上の園芸品種があると言われています。

セイヨウノコギリソウ（西洋鋸草）は、明治時代に切花用の植物として渡来した多年生草本です。現在は日本の道端などで見かけます。本種の根から分泌される分泌液は、周囲の植物を虫や病気から守ります。

セイヨウアカミニワトコは落葉低木です。春に咲く黄緑色の花は、蜜がミツバチなどの昆虫の食糧となり、夏に熟す鮮やかな赤い実は、鳥が好んで食べに来ます。

日本で身近なヤマナラシはヨーロッパヤマナラシの変種です。風に揺れて葉が鳴る特徴があり、このことからヤマナラシ（山鳴らし）と名づけられました。木は軽くて丈夫なため、船のオールやカヌー用の櫂などを作る際に使用されています。

ミスミソウ（三角草）は青、紫、ピンク、白の花を咲かせる常緑の野草です。根茎から直接葉や花が生えているのが特徴です。北半球の温帯に広く分布し、日本では関東から九州の山間部で見られます。

原産地では、ウッド・アネモネは落葉樹林の林床に自生し、春先に他の花に先駆けて花を咲かせます。ヒメアカタテハの幼虫など、数種類の蝶の幼虫の宿主となります。全草が有毒なため、取り扱いには注意が必要です。

ワラビ（蕨）は日本全国に広く分布する春の代表的な山菜のひとつです。新芽はおひたしや天ぷらなどにして食べることができますが、アク抜きせずに食べると発がん性物質プタキロサイドなどによる中毒症状を引き起こすことがあるため注意が必要です。また、ペットや家畜に対しては毒性があるため与えてはいけません。

コケモモ（苔桃）は針葉樹林の林縁や高山帯に自生しています。和名は、本種が苔のように地面を這って育ち、赤い果実が桃に見立てられたことに由来すると言われています。人間による採取や踏みつけ、環境変化などにより日本各地で絶滅が危惧されています。