初夏の花壇を彩るグラジオラスは、俳句では夏の季語です。19世紀はじめ頃からベルギーでガンダベンシス種が育成され、それ以降欧州で品種改良が進みました。現在最も一般的な夏咲きのグラジオラスは、この系統が元となったと言われています。国内では茨城県、千葉県が球根の生産地として知られています。

キダチチョウセンアサガオ（木立朝鮮朝顔）は多年生の低木または小高木です。白や黄色のろうと状の花が下向きにぶら下がって咲き、甘い香りがします。エンジェルストランペットの名でも流通し観賞用に栽培されますが、かわいらしい名前とは裏腹に株全体に強い毒性を持ちます。特につぼみや実がオクラと誤認されることもあるため気をつけましょう。

クリスマスローズ（ニゲル種）は常緑の多年草で、春が来る前の寒い時期に透き通るような白花を咲かせることから人気があり、広く栽培されています。適した環境では30年以上も枯れずに育つとも言われます。庭に地植えでも、鉢やプランターに植えても楽しむことができます。

セイヨウダイコンソウ（西洋大根草）は庭植えで観賞用に栽培します。耐寒性もあり、庭の花壇にまとめて植えたり、グランドカバーとして植栽するのに向きます。根はナデシコのような香りがします。

アメリカクロヤマナラシ（アメリカ黒山鳴らし）は街路樹や並木、防風林として植えられることがありました。また、木材のしなやかさを活かして、合板や家具の内装などに利用されています。木々の葉は毛虫に好まれ餌となることも報告されています。

メタセコイアは落葉針葉樹の高木で、5千年も前から北半球に存在していました。1939年に日本人が化石を発見し、一度は絶滅したと考えられていましたが、1946年に中国南西部で自生しているものが発見され、「生きた化石」として大変話題になりました。成長が早く繁殖が容易であったため、世界各地で公園や並木道などに植えられるようになりました。

カシワバゴムノキ（柏葉ゴムの木）は、柏の葉に形が似るゴムの木であることが名前の由来です。丈夫で初心者でも育てやすく、室内の観賞用に人気があり、広く流通しています。

お盆の時期の仏花として利用されることが多いアスターですが、さまざまな品種の誕生によって、近年は切り花としても楽しまれています。日本に入ってきたのは江戸時代中期で、そこから現在流通している多くの品種が作られました。

アメリカナデシコ（亜米利加撫子）は、切り花として人気のある短命の多年生草本です。アメリカには自生していない本種がアメリカナデシコと呼ばれているのは、日本への移入時にアメリカを経由したためだとする説があります。

レッドクローバーは、明治初期に鳥やうさぎの食糧として日本に導入された多年生草本で、現在ではどこにでも自生しています。シロツメクサと似ていますが、本種は背丈が高く花は赤紫なため、区別ができます。

キダチアロエ（木立蘆薈）は日本でよく見られるアロエの一種です。冬には茎を伸ばした先に朱色〜赤色の花を房状に咲かせます。観賞用に庭や鉢植えで栽培されています。

エルムリーフ・ブラックベリーは森林や小川の近く、湿地や牧草地で生える野生のブラックベリーです。夏には花が楽しめ、果実もつくため、庭や生け垣に植栽されます。果実は青紫色の染料に、根は塩と混ぜるとオレンジ色の染料として用いられます。

スパティフィラム・ワリシーは、仏炎苞と呼ばれる白い部分と葉のコントラストが美しく、その姿から「包み込む愛」などの花言葉もあります。同じく熱帯産で観葉植物として人気のアンスリウムに似ていますが、仏炎苞が細長くハート型に分かれてないことが特徴です。

シンゴニウムは小さい葉がかわいらしく、観葉植物として人気がある常緑多年草です。生えたばかりの葉は丸みのあるハート形をしていますが、成熟すると矢のような形へと変化します。

イチゴノキは表面がざらついた、イチゴやライチに似た真っ赤な実をつけます。初冬にアセビのような花が散った後実をつけますが、その後実が熟すまでおよそ1年もかかります。そのため、年間を通して樹上には常に実がぶら下がっている状態で、翌秋の開花と同時にやっと実が色づきはじめます。

香りのよい葉を鑑賞できるだけでなく、料理の素材としても重宝されるローズマリーは、アフリカやヨーロッパに広く分布する常緑性低木です。乾燥や塩害に耐えることができるため、さまざまなタイプの景観や庭園に利用できます。

トケイソウ（時計草）は南米の熱帯地域に分布している植物で、日本へは江戸時代に渡来しました。トケイソウ（時計草）という和名は、3つに分裂した雌しべが時計の文字盤の針のように見えることに由来します。

ハナアナナスの学名の「cyanea」はラテン語で「深い藍色」を意味し、ハナアナナスの紫色／スミレ色の花に因んだものです。イギリスの王立園芸協会（RHS）により、展示用植物として優れているとの理由でガーデン・メリット賞を与えられています。

明治時代に渡来したニワウルシは、帰化して日本各地に定着している落葉高木です。葉がウルシに似ており、また庭に植えられる事が多いため「庭漆」と名付けられました。大気汚染等にも強く丈夫なので、公園に植えられたり街中でもよく見かけたりします。

ギンバイカの葉はユーカリのような強い芳香があり、マートルという名前のハーブとして親しまれています。 古代ギリシアでは豊穣の女神に捧げる花とされていました。また、結婚式でも利用されることが多く、ブーケの花材に用いられます。