聖母マリアの母乳がこぼれ落ちて葉の白いまだら模様がついたとする言い伝えから「マリアアザミ」とも呼ばれます。葉の縁には鋭い棘があるため注意が必要です。オオアザミ は地中海原産ですが、他の植物を駆逐する繁殖力の強さから多くの国で侵入種と見なされています。

チャボタイゲキ（矮鶏大戟）は畑や庭などで確認することができ、成長が非常にはやく、秋に黄色い花を咲かせます。樹液に毒素を含むことが確認されているので取り扱いには注意が必要です。

トゲチシャ（刺萵苣）はヨーロッパ原産ですが全世界で見られる雑草で、日本でも帰化しており道路沿いの緑地帯などに自生しています。葉と茎にトゲがありチシャに似ていることが名前の由来です。

ヨーロッパ各地から出土した遺跡に残されたオオカラスノエンドウの若芽や豆果が、かつて本種が食用とされていたことを物語っています。果実は熟すと弾けて中の種子を飛ばしますが、残されたさやは笛にして遊ぶことができます。

トウダイグサ（燈台草）の和名は、春の草姿が昔の照明具の燈台に似ていることに由来します。道ばたや土手など日当たりの良い場所で日本各地に見られます。茎や葉をちぎると出る白い汁に触るとかぶれる恐れがあります。

スベリヒユ（滑莧）は世界中の熱帯や温帯地域に分布する一年草で、日本でも自生しているものが見られます。夏から秋にかけて黄色い花を咲かせ、その後1つの株から数十万ともいわれる大量の種子を作ります。

夏を思わせる白を基調とした花を咲かせるシロバナヨウシュチョウセンアサガオ（白花洋種朝鮮朝顔）ですが、その爽やかな見た目とは裏腹に、在来種を脅かす侵略的種としてみなされています。また、全体に猛毒があり危険な植物として知られています。

ホテイアオイ（布袋葵）は明治時代に花を観賞するために持ち込まれました。メダカの飼育用として最も普及した水草のひとつで、産卵床、隠れ家、水質浄化などの役割を果たします。ただし、各地で帰化しており、環境省の生態系被害防止外来種リストの「重点対策外来種」に指定されています。生態系を守るためにも、増えすぎたホテイアオイ（布袋葵）は、自然の河川、湖、沼などに放たないようにしましょう。

ムギクサ（麦草）は、各地の道端、畑、牧草地、荒地などで見られる外来種で、1870年頃に横浜で初めて確認されました。牧草地では草を食べる家畜などが本種の芒によって目、鼻、口などを傷つけてしまう場合があります。

イヌホオズキは、日本全国に分布する一年草です。夏から秋にかけて白い花を咲かせ、実は黒く熟しても艶がないことが特徴です。山野だけでなく街中でも見られる本種は、全草にソラニンを含む有毒成分が含まれているので扱いには注意が必要です。

ヒメムカシヨモギ（姫昔蓬）は明治時代に意図せずに侵入し、それほど時間がかからずに全国に拡散しました。「オオアレチノギク」あるいは「アレチノギク」などの雑草によく似ていますが、これらは葉の色や舌状花の姿が本種とは異なるため、判別が可能です。

セイヨウヒルガオ（西洋昼顔）は日本には戦前に観賞用に導入されました。1940年代以降に輸入農産物に混入した種子が鉄道輸送で非意図的に散布された結果、全国的に分布するようになりました。繁殖力が非常に強いため、在来種への影響や農作物との競合が問題となっており、外来生物法で「要注意外来生物」に指定されています。

ハルノノゲシは全国の道端や空き地などで普通に見かけられ、春から初夏にかけて花を咲かせます。ヨーロッパ原産ですが、はるか昔に中国経由で日本に入ってきて定着したと考えられています。「野芥子」という和名は、葉が「ケシ」に似ていることに由来しますが、分類学的には遠い植物です。

アレチノギク（荒地野菊）は明治中期に渡来し、昭和初期までには各地の道端や荒地などで一般的に見られるようになった帰化種です。オオアレチノギクやヒメムカシヨモギなどに似ていますが、これらは本種よりも大型で開花が遅いという違いがあります。また、これらの類似種の拡散の影響により、最近は一時に比べて個体数が減ってきていると言われています。

ヒロハフウリンホオズキ（広葉風鈴酸漿）は江戸時代末期に飼料に混じって意図せずに日本に入ってきたと言われています。土壌を選ばずに育ち、畑地、牧草地、道端、荒れ地、林縁などさまざまな場所で見られます。畑では作物と競合する雑草とみなされ、刈り取りや抜き取りで駆除されます。葉の幅が広くて、風鈴のような果実をつけることから名付けられました。

植物の段階では、とげのない葉（直径5〜20 cm ）のロゼットを形成します。夏が近づくと、多数（10〜50個）の黄色い花を含む多数の棘状頭状突起を生成する開花茎（ 1 m ）が生成されます。頭皮内の花は昆虫によって受粉され、各頭皮は（10-50）乳頭と非乳頭の種子の混合物を生産します。

セイバンモロコシ（西播蜀黍）は戦後帰化が確認された外来種で、本州から九州にかけて分布します。世界中の温暖な地域で広く帰化しており、根茎と種子でどんどん繁殖する侵略的な強害雑草として知られます。ススキに葉姿が似ますが、穂のようすに違いがあります。

イギリスオオバコは、江戸時代に日本へ渡来したヨーロッパ原産の多年生草本です。様々な土壌で育つ事ができるため、現在は日本各地で帰化していますが、要注意外来生物に指定されています。

シマニシキソウ（島錦草）は熱帯アメリカ原産ですが、世界の熱帯～亜熱帯地域の道端や草地で育ち、日本には古くに伝来してから近畿以南で野生化しています。小さな淡いピンク色の花を球状に付け、茎や葉を折ると乳白色の液が出てきます。

ショウジョウソウ（猩猩草）は明治時代に日本に渡来し、逸出したものが九州以南で野生化していることが確認されています。和名にある「猩々（ショウジョウ）」とは古代中国の空想上の獣で、赤い長髪で酒が大好きな猿に似た生き物です。花の周囲にある葉が赤く色づくことからショウジョウソウ（猩猩草）と名付けられました。