ホテイアオイ（布袋葵）は明治時代に花を観賞するために持ち込まれました。メダカの飼育用として最も普及した水草のひとつで、産卵床、隠れ家、水質浄化などの役割を果たします。ただし、各地で帰化しており、環境省の生態系被害防止外来種リストの「重点対策外来種」に指定されています。生態系を守るためにも、増えすぎたホテイアオイ（布袋葵）は、自然の河川、湖、沼などに放たないようにしましょう。

シダのような外観が魅力的なコゴメミズ（小米みず）は、60 cmほどまで成長する短命の多年草です。南アメリカ原産ですが、日本では沖縄で帰化しているのを見ることができます。熱帯庭園でグラウンドカバーに使われる事があります。

カジノキ（梶の木）は原産地域では繊維作物で、古くは木の繊維を和紙や布の原料に使いました。また日本では神木として神社の境内などによく植栽されます。昔は七夕祭の際に葉に和歌を書き、お供えしました。

シマニシキソウ（島錦草）は熱帯アメリカ原産ですが、世界の熱帯～亜熱帯地域の道端や草地で育ち、日本には古くに伝来してから近畿以南で野生化しています。小さな淡いピンク色の花を球状に付け、茎や葉を折ると乳白色の液が出てきます。

アメリカヤマゴボウは、明治に日本に渡来し帰化しています。赤紫色の茎をもち、晩春から秋にかけ白い花を咲かせます。一般に雑草とされますが、濃い紫色の実は鳥を魅了するため、バードウォッチング用に栽培されることがありますが、全体にわたって毒があるため取り扱いには注意が必要です。

これぞ雑草という感じのオヒシバ（雄日芝)は道端によく生えており、力を入れないと引き抜けないことからチカラグサとも呼ばれます。オヒシバ（雄日芝）は舗装された道路でも隙間から力強く生えてきます。

葉の表面は無毛でなめらかかもしくは短剛毛で覆われています。花は扇状集散花序（せんじょうしゅうさんかじょ）またはさそり型花序と呼ばれる、左右交互に分枝する形でつきます。果実は蒴果（さくか：内部が複数の部屋に分かれたカプセル状の乾いた果実）で、2枚の心皮（しんぴ：単一か複数でひとつのめしべを構成する要素）をもち内部は3室に分かれています。果実は5個の茶色い種子を含み、種子は長さ2 〜 3 mm（まれに最大で3 mm）、幅1.4 〜 1.8 mmです。

マグワートは世界的に神聖な植物として考えられており、大昔には魔除けや儀式に用いられていたそうです。虫除け効果がある一方で、花粉源でもあります。畑や果樹園の雑草とみなされ、侵略性も指摘されています。

カタバミは、夜半分に閉じた葉が半分食べられたように見えるのがその由来とされます。繁殖力が強く「絶えない」ことから、縁起担ぎで家紋として用いられ、俳句などにも登場します。熟した実は動物などが触れると種子を勢い良く飛ばします。

中南米の熱帯原産で、現在では世界中の熱帯や温帯地域に広く分布する多年草です。熱帯アジアや中南米では料理に使われ、形状からロングコリアンダーやノコギリコリアンダーとも呼ばれますがコリアンダーとは別種です。香りはコリアンダーより強く刺激的です。

アメリカブクリョウサイは繁殖力の強い種で、世界中にテリトリーを拡大しています。長距離移動が可能な小さく軽い種子が特徴で、動物の移動や水流、物資の行き来に合わせ、国境や気候を越えて繁殖します。

Peltandra virginicaは北米原産のサトイモ科の常緑多年草で、アメリカ先住民は加熱して食料としていましたが、有毒のため注意が必要です。湿地に自生し、春から夏にかけ緑色の仏炎苞に包まれた花を付けます。キモグリバエの一種を引き寄せ受粉します。

クラウンフラワーは白色や薄紫色の王冠に似た花を咲かせます。芳香があるのも特徴的です。ハワイやタヒチでは頭や首に巻くレイに使用されますが、葉や枝を傷つけると毒性の樹液が出てくるため取り扱いには注意が必要です。

ジュズサンゴ（数珠珊瑚） は原産地では山地の森林や道端、荒れ地で自生する多年草です。艶のある赤い実をつけ、その果汁はかつてインクや染料に使われました。花や葉は日持ちがよいため、切り花としても流通します。

ヒメムカシヨモギ（姫昔蓬）は明治時代に意図せずに侵入し、それほど時間がかからずに全国に拡散しました。「オオアレチノギク」あるいは「アレチノギク」などの雑草によく似ていますが、これらは葉の色や舌状花の姿が本種とは異なるため、判別が可能です。

イシガキコショウ (石垣胡椒)は世界各地の熱帯や亜熱帯に分布し、多肉質で光沢のあるハート形の葉と、茎にドット状に付く小さな黒い種子が特徴的です。観賞用として栽培されるほか、熱帯アフリカでは民族療法用にも使用されてきました。

熱帯アメリカ原産ですが、世界各地の熱帯地域に広がっており、国内でも雑草化しています。茎はホウキ作りに利用されることがあります。日本でも南西諸島や小笠原などで確認されており、和名は葉がエノキの葉に似ていることに由来します。

コミカンソウ（小蜜柑草）の和名は球状の果実をつけ、その果実がミカンを連想させることが由来で名付けられました。コミカンソウ（小蜜柑草）は花壇や路肩、畑などによく見られ低木、つる性、浮遊水生など多様性に富む生活型で自生します。

スベリヒユ（滑莧）は世界中の熱帯や温帯地域に分布する一年草で、日本でも自生しているものが見られます。夏から秋にかけて黄色い花を咲かせ、その後1つの株から数十万ともいわれる大量の種子を作ります。

ヨーロッパやアジアの日当たりの良い草原に広く自生するキク科の多年草です。夏、1 mほどにもなる茎の上に赤紫色の花を咲かせ、成長すると傾くことからウナダレヒレアザミ（項垂れ鰭薊）の別名も持ちます。葉は切れ込みが多く、先端部に鋭い棘があります。