ヨーロッパブナは公園や庭園に植栽される紅葉が美しい落葉樹です。秋には葉色が黄色〜オレンジ〜赤、最後は赤茶色へと変化し、多くの場合冬の間も枯れ葉が木に残ります。木材としても家具などの加工に利用されています。

セイヨウノコギリソウ（西洋鋸草）は、明治時代に切花用の植物として渡来した多年生草本です。現在は日本の道端などで見かけます。本種の根から分泌される分泌液は、周囲の植物を虫や病気から守ります。

サクランボ（桜桃）は明治時代に移入した落葉小高木です。果実をより大きく、甘くするための品種改良が重ねられ、現在はさくらんぼという名で広く流通しています。生で食べられる他、缶詰や菓子や料理の材料になります。

セイヨウハシバミ（西洋榛）の種子はお菓子などの材料としてよく知られる「ヘーゼルナッツ」です。落葉低木ですが、中には大きく生長するものもあります。木材は土塀壁の家の木組みや農業用地のフェンスなどに利用されます。

セイヨウニワトコ（西洋接骨木）の葉や花は、世界各地で古くから人間の生活に役立てられてきました。現代では、花のエキスは化粧品などにも用いられています。

セイヨウミズキ（西洋水木）は野生では林縁などに生えている姿が見られます。花は昆虫を惹きつけ、果実は鳥や哺乳類動物が食べにやってきます。紅葉が美しいことから、観賞用に庭植えされます。本種の木材は硬く、串焼き用の棒などに用いられます。

スピノサスモモはヨーロッパや北アフリカに分布するスモモの一種です。日本でちょうど桜の時期にあたる3月から4月にかけて、桜に似た白い花を多数咲かせます。アイルランドなどではスピノサスモモの木材を使って杖が作られます。

セイヨウイラクサには「セイヨウ」という名前がついていますが、ヨーロッパ以外にも世界中の温帯地域で見られます。日本のイラクサとは別種です。湿地や土手、道路脇の溝など水の多い場所に自生していて、その棘にうっかり触れてしまうと、皮膚に湿疹ができる可能性があります。

セイヨウカジカエデは、属が異なるプラタナスに類似しています。それにより、学名の種小名は古代ギリシャ語で偽プラタナスという意味を持ちます。セイヨウカジカエデの材は楽器や家具、床材などに利用され、高級なヴァイオリンであるストラディバリウスなどの甲板としても使用されています。

春を代表する花が桜であれば、ガクアジサイは梅雨の時期を代表する花です。鎌倉の明月院など、東西南北に名所があります。「万葉集」や「本草和名」などの古い書物に登場し、各地にお金や健康にまつわる俗信が残る日本人と関わりの深い植物です。

ワイルドキャロットは夏に白い小花が集団で咲き、レースのように見える越年草です。人参の原種ですが、食用ではありません。レースフラワーと似ていますが、レースフラワーの花の色は白のみで、花と花との間隔が空いているのが特徴です。

ヨーロッパナラ（欧州楢）は長寿のブナ科の広葉樹で、40 mに達するものもあるという大木です。学名のQuercus roburは「堅い樽」を意味します。秋にはドングリがなります。硬くて重い木材として、家具や床材、窓枠や階段、ワイン樽などに使われます。

日本に自生するシデの仲間には、イヌシデ、アカシデ、クマシデなどがありますが、セイヨウシデ（西洋四手）は南ヨーロッパから西アジア、シベリアにかけて分布するシデです。シデという名前は、実の垂れ下がる様子を神事で用いる四手に例えたものです。セイヨウシデ（西洋四手）の材は硬く、木工細工や器具材に利用されます。

熱帯のジャングルに自生するホウライショウ（鳳莱蕉）は、エキゾチックな雰囲気を持つ観葉植物として人気があります。その特徴的な葉は、ポスターや壁紙などのデザインにも用いられます。ハワイでは古来から魔除けに使われてきたそうです。全草が有毒であるため注意が必要です。

食用に広く栽培されるミニトマトは江戸時代に日本に伝来したとされています。当初は、観賞用に利用されるのみでしたが明治には食用として利用されるようになりました。ビタミンCなどの栄養を豊富に含み、家庭菜園にも欠かせない植物です。

ヘデラは、鑑賞や園芸植物として親しまれている常緑のツル植物です。小さい花は目立ちにくいものの、蜜が多いため晩夏から晩秋までミツバチや蝶が集まります。成長スピードが早く、管理を怠るとあらゆる場所へ侵入するため注意が必要です。

オレガノはバジルとともに、地中海料理には欠かせない料理用ハーブです。古代ギリシャの時代には、幸運と健康をもたらすと考えられ、結婚するカップルはオレガノの冠を身に着けました。ハーブのイメージが強いですが、花も観賞性が高く、ドライフラワーにしても楽しめます。

ポトスは、光沢のあるハート型の葉を持つ常緑の観葉植物です。メンテナンスが簡単で、ツル状に伸びる特徴を生かしてハンギングバスケットなどで栽培するのに適しています。

トウガラシ（唐辛子）の果実は成長するにしたがって緑色から赤色に変化します。未成熟ものは青唐辛子、赤色の果実は赤唐辛子と呼ばれ、香辛料として使用されます。コロンブスがスペインに持ち帰り、日本には戦国・安土桃山時代に入ってきたと言われています。

カモガヤ（鴨茅）はイネ科の多年草で、世界中で牧草や飼料用の干し草として広く栽培されています。日本には19世紀半ばに牧草として導入され、その後は各地で帰化し、畑、土手、河原など様々な場所で見られます。春から夏にかけて飛ぶ花粉は花粉症の原因として知られます。