シャコバサボテンは砂漠ではなく森林の樹木に着生する多肉性植物です。茎が海に生息する節足動物のシャコに似ていることからシャコバサボテンと名づけられました。茎先に鮮やかなピンク色の花を咲かせます。

ドラセナ・レフレクサは葉が美しく、初心者にも室内で育てやすいため観葉植物として人気です。ゆっくり成長するのでこまめな剪定も不要です。クネクネと曲がる幹が特徴です。

ナワシログミ（苗代茱萸）の和名は、苗代（イネの苗床）を作る5～6月ごろに実が熟すことから名付けられました。熟した実は、そのまま食べても甘酸っぱくて渋みがあり美味しくありませんが、ジャム、果実酒などにすれば食べられます。木材は手触りがよく、ねばりがあり衝撃を吸収するため、金づちやノミなど大工道具の柄に利用されます。

ヨーロッパニレの材は高品質で、家具や床などの材料として、あるいは薪として利用されます。また、水にも強いため、水中の建造物や船にも用いられます。ニレ立枯病（DED）によって個体数は激減したものの、強い復元力と遺伝的な変異性を持っているため、ヨーロッパでは絶滅は危惧されていません。

サインフォインは、美しいピンクの花を密に咲かせる多年生草本です。飼料用植物としてよく栽培されており、本種を食べた家畜のメタンガスを抑制する効果があることでも知られています。

モクゲンジ（木患子）は、日本海側の墓地、寺院の境内でよく見かける落葉高木です。卵型に膨らむ果実には硬く黒い種子があり、日本ではこれを数珠の玉として利用してきました。元々は中国に分布していたものが、日本でも栽培される様になって帰化したと考えられています。

タイサンボクは明治初期に日本に移入した常緑高木です。白木蓮と花の姿が似ていますが、本種の花はより大きく香りのよい白い花を咲かせます。また、レモンやメロンを思わせる香りを放つ花はマグノリア香水の原料として使用されます。

ウシノシタグサ（牛舌草）は、日当たりと風通しそして、水はけがよい土が適度に湿っている場所を好む多年草です。明治半ばに日本へ渡来しました。この植物はハチや蝶を引き寄せますが、鹿やウサギは無視します。

エピスシア･クプレアータの和名である「ベニギリソウ」の「ギリ」は、漏斗状の花の形がキリの花に似ていることからつけられました。縁取りが美しい葉は這うように生育するため、ハンギングバスケットなどでの栽培に向きます。

カエデに似た葉を持つアメリカフウは、北米に広く分布する落葉高木で、日本でも公園などで栽培されています。加工しやすく香りの良い木材として、北アメリカで最も広く植林されている木材の一つです。

子宝弁慶草はフリルのように見える葉の縁に小さな子株をたくさん作り、やがてそれらが地面に落ちて根を広げ繁殖していきます。冬が終わる頃に小さなくすんだ紫色花が咲くことがあります。

アメリカナデシコ（亜米利加撫子）は、切り花として人気のある短命の多年生草本です。アメリカには自生していない本種がアメリカナデシコと呼ばれているのは、日本への移入時にアメリカを経由したためだとする説があります。

スパティフィラム・ワリシーは、仏炎苞と呼ばれる白い部分と葉のコントラストが美しく、その姿から「包み込む愛」などの花言葉もあります。同じく熱帯産で観葉植物として人気のアンスリウムに似ていますが、仏炎苞が細長くハート型に分かれてないことが特徴です。

グロキシニア は耐寒性や耐暑性がないため、屋内で鉢植え栽培します。花の色や大きさなどが異なる園芸品種も流通します。一度花が咲いた後に切り戻しをすれば、もう一度花を咲かせて楽しむことができます。

アアソウカイ（亜阿相界）はマダガスカル固有種の多肉柱状の低木で、乾季には葉が落ち、砂丘や岩面など半乾燥性の土壌に自生します。和名は、原産地であるマダガスカルの位置がアジアとアフリカの境界であることに由来しています。夏に白い花を付けます。

プリムラ・アカウリスは園芸植物として人気の宿根草で、本種からは多数の園芸品種が生み出されました。寒さに強く、秋から翌春にかけてさまざまな色の花を一斉に咲かせます。

ヒメブッソウゲ（姫仏桑華）は海外では装飾用、あるいは垣根としてよく庭に植えられますが、栽培地付近に逸出して野生化しやすい性質が指摘されています。国内では植物園などで見ることができます。花には蜜を求めてハチドリやチョウが集まります。

トケイソウ（時計草）は南米の熱帯地域に分布している植物で、日本へは江戸時代に渡来しました。トケイソウ（時計草）という和名は、3つに分裂した雌しべが時計の文字盤の針のように見えることに由来します。

本種の発見をきっかけとして、19世紀末に新属「セントポーリア属（アフリカスミレ属）」が誕生しました。品種改良された園芸種がセントポーリアの名でよく流通し、国際的に登録されている品種数は1万6000種超におよびます。大輪やフリル咲きなど様々な花色・花形が選べ、1年中室内で育てられるため「室内花の女王」の異名を持ちます。

17世紀のオランダでは、栽培が始まったばかりで希少だったチューリップに人々は熱狂し、球根の価格は異常なほど高騰しました。これは後に史上初のバブルとして知られることになります。日本に渡来したのは幕末の1863年頃と言われています。葉や球根は有毒です。