夏の定番の果物であるスイカ（西瓜）の起源はアフリカで、エジプトでは4000年前から栽培されていたと考えられています。日本に渡来した時期は諸説ありますが、17世紀頃という説が一般的です。明治になると欧米の品種が導入され、大正後期から昭和初期にかけて品種改良が行われ、現在私たちが食べているスイカの基礎となる品種が作られました。

ギンバイカの葉はユーカリのような強い芳香があり、マートルという名前のハーブとして親しまれています。 古代ギリシアでは豊穣の女神に捧げる花とされていました。また、結婚式でも利用されることが多く、ブーケの花材に用いられます。

ブッソウゲ（扶桑花）の渡来時期は明らかになっていませんが、琉球（現在の沖縄）にはかなり昔から入ってきていたと推測されています。1614年に島津藩が徳川家康に献上したことが伝えられています。沖縄県では、沖縄市や平良市の市花に指定されています。

イチジクは漢字で「無花果」と書きますが、花がないわけではありません。花は、私たちが通常「実」と呼んでいるもの（花托）の内部で咲くため、外からは見えないだけなのです。つまり、私たちが「実」だと思って食べている部分には、花も含まれているのです。

羽毛のようなアーチ状の葉を優雅につけるナツメヤシ（棗椰子）は、古代から食用の甘い果実のために栽培されてきました。幹は木材、葉は家具などの材料として利用されるなど、ほぼ全ての部位に経済的価値がある植物です。

ザクロは平安時代に観賞用の植物として中国から伝わりました。「石榴」という漢字は「安石榴」を略した表記であり、「安石」は中国語で原産地である現在のイランを意味しています。熟した果実はジュースに加工されて流通しています。

園芸品種が多く世界中で広く栽培されているセイヨウキョウチクトウは、日本には江戸時代に渡来したとされています。全体にかなり強い有毒成分が含まれており、取り扱いには注意が必要です。「西洋夾竹桃」という和名は、葉が竹に似ていること、花が桃に似ているという中国名に由来しています。

ギョウギシバ（行儀芝）は匍匐茎（地表を這う茎）を平らに伸ばし、節ごとに葉をつけて広く地表を覆います。河原や海岸、荒れ地や学校の校庭でも見られます。雑草とされる一方、緑化や牧草として利用されることもあります。

センダン（栴檀）の葉は強い除虫効果を持ち、かつては虫除けに利用されていました。木材は弱い芳香があり、建築や家具、数珠に使われます。ことわざの「栴檀は双葉より芳（香）し」の「栴檀」は実際にはこの木ではなく、白檀を指したものです。

セイヨウニンジンボクは薄紫色の花をつける、庭先で目にする植物です。淡い香りが特徴的で、庭木として植えると香りを楽しむことができます。ヨーロッパでは本種の果実をコショウの代用品とされていた歴史がありますが、現在では使われていません。

トウモロコシ（玉蜀黍）はその種子を食用や家畜飼料として利用する穀物です。味や利用目的に合わせて、多数の農業用品種も開発されています。家庭菜園でも栽培可能ですが、受粉のために2列以上で栽培する必要があります。

この草はクリープし、通常は高さ約30 cmのまっすぐなシュートを持ちます。

トウワタ（唐綿）は世界中で広く栽培されて野生化しています。日本には1842年入ってきたとされます。切り口から白い乳液を出します。

リクチワタ（陸地棉）は綿の原料として非常に重要な植物です。現在の世界の綿の生産量のうち90%以上は本種が占めています。本種の花粉は大きくて重くて粘性があるため、風ではなくミツバチやマルハナバチなどが自然交配に重要な役割を果たしていると考えられています。

ケッパーは、地中海沿岸一帯に自生する半つる性の小低木で、ピンク色の花を春から夏にかけて咲かせます。若いつぼみのピクルスは「ケッパー」、果実は「ケーパーベリー」という商品名で流通しており、いずれも地中海料理には欠かせない食材です。

種子は球状であるが、吸水線付近が盛り上がっている。春から初夏にかけて白や董色の花を咲かせ、その後、毛の生えた莢（さや）をつける。莢の大きさは3.5 cmまで達し、中に球状の種子を1粒（稀に2粒）含む。種子は白、黒、茶色などの色を帯び、丸くふちを巻いた形をしている。

コムギ（小麦）と人類の歴史は古く、新石器時代から栽培されており、日本へは奈良時代に渡来しました。本種は世界最大の栽培面積と収穫量を占める食用作物で、イネ、トウモロコシと並び世界の三大穀物とされる重要な人間の主食です。

ヨシ（葦）は昔は「アシ」と呼ばれていましたが、「悪し（あし）」というネガティブなイメージを連想させることから、反対の意味を持つ「善し（よし）」という別名で呼ばれるようになったと言われています。ヨシ（葦）の長い茎を編んで作った葦簀（よしず）は、夏に日よけとして昔から利用されています。

ヒメムカシヨモギ（姫昔蓬）は明治時代に意図せずに侵入し、それほど時間がかからずに全国に拡散しました。「オオアレチノギク」あるいは「アレチノギク」などの雑草によく似ていますが、これらは葉の色や舌状花の姿が本種とは異なるため、判別が可能です。

ビートは古くからヨーロッパでは野菜として普及しており、日本へは江戸時代に渡来したと言われます。缶詰でも流通し、甘みが特徴で、煮込み料理、サラダなどに用いられます。