平安時代の本草書「本草和名」に登場するように、イタドリは日本に昔からある在来種です。一方欧米では、その高い繁殖力から深刻な侵襲植物とみなされ、世界の侵略的外来種ワースト100に数えられています。

春を代表する花が桜であれば、ガクアジサイは梅雨の時期を代表する花です。鎌倉の明月院など、東西南北に名所があります。「万葉集」や「本草和名」などの古い書物に登場し、各地にお金や健康にまつわる俗信が残る日本人と関わりの深い植物です。

セイヨウトネリコはヨーロッパ全土に自生するトネリコの仲間で、日本のトリネコに比べて細い葉を持ちます。かつては邪気を払う力や癒しの力を持つと考えられていました。北欧の神話で描かれる聖なる世界樹（ユグドラシル）はセイヨウトネリコの木だとされています。

ビートは古くからヨーロッパでは野菜として普及しており、日本へは江戸時代に渡来したと言われます。缶詰でも流通し、甘みが特徴で、煮込み料理、サラダなどに用いられます。

ヨーロッパにはジギタリス（実芰多里斯）に関わる様々な物語が残されており、人々にとって身近な植物のひとつです。強い毒性がありますが、日本に幕末から明治にかけて渡来して以来、観賞用の植物として広く栽培されています。

セイヨウカジカエデは、属が異なるプラタナスに類似しています。それにより、学名の種小名は古代ギリシャ語で偽プラタナスという意味を持ちます。セイヨウカジカエデの材は楽器や家具、床材などに利用され、高級なヴァイオリンであるストラディバリウスなどの甲板としても使用されています。

ツリウキソウは、深紅と紫のツートンカラーの小さな花をつけ庭に鮮やかな色彩とトロピカルな雰囲気を与えてくれます。丈夫で耐寒性にも優れているため、春から晩秋まで長い期間で花を楽しむことができます。

ヒトシベサンザシ（一蘂山樝子）は森林や道路沿いで生息します。花はミツバチを引きつけ、鳥や小型動物が秋に種子を食べにやって来ます。また密集したギザギザの葉は鳥が巣づくりに使います。北米やオーストラリアの一部では侵略的な種と扱われています。

フウロソウ属の他の仲間に比べて小さく可愛らしい花が特徴です。日本では滋賀県の伊吹山や、徳島県の剣山など、限られた地域に自生します。葉をつぶすと独特の臭いがあり、塩を焼いたような臭いとも、タイヤを燃やしたような臭いとも形容されます。

セイヨウヒイラギ（西洋柊） は赤い実とトゲのある縁の葉がクリスマスの装飾として広く知られています。花は蜜源ですが、実は鳥に食べられることなく冬の間も残ります。木材はチェスの白駒に使われます。

ヨーロッパブナは公園や庭園に植栽される紅葉が美しい落葉樹です。秋には葉色が黄色〜オレンジ〜赤、最後は赤茶色へと変化し、多くの場合冬の間も枯れ葉が木に残ります。木材としても家具などの加工に利用されています。

セイヨウニワトコ（西洋接骨木）の葉や花は、世界各地で古くから人間の生活に役立てられてきました。現代では、花のエキスは化粧品などにも用いられています。

日本におけるダリアの栽培の歴史は長く、1841年の「百花培養集」に本種についての最初の記録が残っています。その後、江戸花戸内山長太郎が大阪から江戸に持ち込み、数年かけてダリアの栽培を流行させました。また、メキシコでは国花に指定されています。

ヘデラは、鑑賞や園芸植物として親しまれている常緑のツル植物です。小さい花は目立ちにくいものの、蜜が多いため晩夏から晩秋までミツバチや蝶が集まります。成長スピードが早く、管理を怠るとあらゆる場所へ侵入するため注意が必要です。

日本では古くから庭園に植えられてきたモミジは、日本人の間で最も親しまれてきた植物の1つです。葉の裂片を数えると「いろはにほへと」と7裂するため、いろは紅葉という和名が付けられました。葉の色は季節に応じて変化し、春は緑色に、秋は黄色に、秋から冬にかけては美しく紅葉します。

食用に広く栽培されるミニトマトは江戸時代に日本に伝来したとされています。当初は、観賞用に利用されるのみでしたが明治には食用として利用されるようになりました。ビタミンCなどの栄養を豊富に含み、家庭菜園にも欠かせない植物です。

デージーは幕末から明治時代初期に渡来したと考えられており、北海道などの寒冷地域で野生化しています。花姿が可愛らしく、小さな菊のように見えることから雛菊と名付けられたと言われています。イタリアでは国花に指定されています。

ヨーロッパハンノキの木は木靴や家具などに用いられますが、商業価値はそれほど高くないと言われています。防風林として果樹園に植えられたり、鉱山の再緑化のために植えられたりすることもあります。侵略性があるため推奨はされていませんが、観賞用や土壌安定化のために植えられることもあります。果実は鳥の餌となります。春先には花粉の発生源となります。

イギリスオオバコは、江戸時代に日本へ渡来したヨーロッパ原産の多年生草本です。様々な土壌で育つ事ができるため、現在は日本各地で帰化していますが、要注意外来生物に指定されています。

ブッドレアは乾いた荒れ地でも成長することのできる低木で、国の重点対策外来種に指定されています。房藤空木という和名は、二枚の葉が向かい合って生える姿が空木に似ていることと、フジ色の小さな花を咲かせることに由来します。