コダチヤハズカズラ（木立矢筈蔓）は鉢植えで流通しますが、栽培に適した気候では地植えで壁面緑化や生垣などとして植栽します。世界各地で観賞用のものが逸出し、道端や空地、林縁地などで帰化しています。

ホウオウボク（鳳凰木）は熱帯地域に自生し、日本では沖縄で見られます。園芸用に流通しますが日本では希少です。大きな葉が茂って夏に涼しい木陰を作るため、街路樹や公園に植栽されます。花姿が伝説の霊鳥である鳳凰（ホウオウ）が飛翔する姿に例えられたことが和名の由来です。

デュランタの葉や液果は人間やペットに対して強い毒性があります。一方で鳥たちには無害で、液果を好んで食べます。明治中期に観賞用に渡来し、沖縄などの暖地では庭木や垣根などに利用されます。国や地域によっては、侵略種とみなされています。

熱帯が原産のクロトンは、沖縄以外の日本では観葉植物として温室で栽培されるのが一般的です。多様な色彩の線や斑点で模様づけられている葉から、ヘンヨウボクという別名が付けられました。折れた枝や茎から出る樹液に触れると、体質によってはかぶれる可能性があります。

シマオオタニワタリ（島大谷渡） は丈夫で手入れも簡単で、大きくユニークに伸びる葉は部屋のインテリアにもなることから、人気のある屋内用の観葉植物です。葉姿が異なる園芸品種もあり、フラワーアレンジメント用の切り葉としても流通します。

トーチジンジャーは鮮やかなピンク色の花を咲かせ、装飾的なアレンジメントに使われます。英名のトーチジンジャーの「トーチ」は「松明」という意味を持ち、花序の見た目が松明に似ていることが名前の由来です。

ブッソウゲ（扶桑花）の渡来時期は明らかになっていませんが、琉球（現在の沖縄）にはかなり昔から入ってきていたと推測されています。1614年に島津藩が徳川家康に献上したことが伝えられています。沖縄県では、沖縄市や平良市の市花に指定されています。

インドから中国、東南アジアなどに自生するほか、多くの熱帯地域で薬用や観賞用などに栽培されます。インドでは伝統医療であるアーユルヴェーダにも用いられます。高さ3mほどになるものもあり、雨季に花びらにしわの寄った白い花を咲かせます。

ヤエヤマアオキは熱帯の海岸林などに生息する常緑樹で、葉姿がアオキに似ており、国内では八重山諸島に自生することからこの名で呼ばれます。初夏に白い星形の花を付け、果実はノニジュースなどの原料として使われます。根は赤色染料となります。

熱帯地域の海岸やマングローブに分布し、日本では石垣島以南に分布します。夏の夕方から香りのある白い花を咲かせ、翌朝には散ってしまいます。果実は中が空洞で水に浮かぶため、潮の流れに乗り漂着した先で繁殖できます。果実は魚にとって有毒です。

オオハマボウ（大浜朴）は海浜植物で、原産地ではよくマングローブ林と関連して自生します。また海岸での防風林、防砂林や公園などにも植栽されて、世界各地で帰化しています。

ジュズサンゴ（数珠珊瑚） は原産地では山地の森林や道端、荒れ地で自生する多年草です。艶のある赤い実をつけ、その果汁はかつてインクや染料に使われました。花や葉は日持ちがよいため、切り花としても流通します。

レッドジンジャーという名前は、生姜の仲間で、鮮やかで特徴的な赤い苞を持つことから名付けられました。ニューカレドニアやソロモン諸島などの太平洋諸島原産で、日本では沖縄本島より南でしか栽培できないと言われており、主に石垣島で栽培されています。

ハマユウ（浜木綿）は夕方から咲き始め深夜に満開となる芳しい花が特徴的な常緑多年草です。花が咲いた後になる実はさく果で、熱を持つと弾けて種が飛び散ります。神事に使われる木綿（ユウ）という布に花が似ていることからその和名が付けられました。耐寒性がやや弱いため、暖地以外では地植えは困難です。

パパイヤは16世紀初頭にスペインの探検隊によって熱帯アメリカ（メキシコ南部から西インド諸島）で発見されてから、17世紀にフィリピンに持ち込まれ、世界各地の熱帯や亜熱帯で栽培されるようになりました。日本へは明治30年代頃に入ってきました。果実は食用になり、柔らかくて甘く、独特の香りがあります。

パンノキ（パンの木）木は高さ15 mほどに成長し、 葉がよく茂ることから熱帯地方では街路樹としてよく利用されています。果実はパンの実とよばれ、でんぷん質を含む白い果肉が現れます。焼いたり発酵させるなどして使用されています。

トウガラシ（唐辛子）の果実は成長するにしたがって緑色から赤色に変化します。未成熟ものは青唐辛子、赤色の果実は赤唐辛子と呼ばれ、香辛料として使用されます。コロンブスがスペインに持ち帰り、日本には戦国・安土桃山時代に入ってきたと言われています。

ハワイでは甘味のあるコルジリネ レッドスターの地下茎は食用とされ、葉はカヌーの綱や衣服、フラの踊り手のスカートに利用されています。ハワイ以外にも、熱帯の東南アジアとオーストラリア東部を含む、いくつかの太平洋の島々が原産です。

ニチニチソウ（日々草）は大気汚染や排気ガスに耐える性質を持っているため、道路沿いに植えられています。江戸時代中頃に日本に入ってきました。毎日新しい花が咲きますが、1つの花は3〜5日ほどで枯れてしまいます。

オジギソウ（お辞儀草）は触ると葉を閉じることでよく知られています。世界各地で帰化し、侵入種、雑草とされています。畑地や牧草地、荒れ地や道端などで見られますが、観賞用に栽培もされます。